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さくらの VPS 設定覚書(1)序文と目次

当サイトは、これまで ドリームホストの共用ホスティング・サービス を受けてきました。しかし、共用サーバは、データベース駆動型の動的サイトには適しておらず、今後は、さくらインターネットの VPS 4G サーバに移転することにしました。このページでは、なぜさくらの VPS 4G プランを選ぶにいたったのか、その理由を述べることで、これから連載する「さくらの VPS 設定覚書」の序文としたいと思います。

1. なぜ VPS なのか

ウェブサイトのホスティング方法には、大まかに分類して、共用サーバ、VPS、クラウド・サーバ、専用サーバ、自宅サーバの五つの選択肢があります。この五つの違いを住居で喩えると、以下のようになります。

  • 共用サーバ=ルーム・シェアリング:雑居ですから、費用は一番安くなります。生活が快適かどうかは、部屋全体の大きさとルーム・メイト次第です。行動の自由が大きく制約されており、周囲に迷惑をかけすぎると追い出されることもあります。
  • VPS=賃貸アパート:ルーム・シェアリングよりも隣人の影響を受けません。自由度の高い自分専用の一定の空間が確保されていますが、簡単に拡張できないので、多数の来客には対応できません。敷金・礼金が必要なこともあります。
  • クラウド・サーバ=ホテル:短期間滞在したり、大規模なパーティを開催したりするのに適しています。豊富なサービス・オプションが完備しており、所有ではなくてサービスという色彩が強い。料金は日割りで計算され、長期滞在だと割高になります。
  • 専用サーバ=借家:一戸建てなので、賃貸アパートよりもさらに隣人の影響を受けにくくなります。部屋は広々としており、修繕費用も家主が負担してくれます。自己所有ゆえのリスクからも守られています。その代わり、家賃は非常に高額です。
  • 自宅サーバ=一戸建てのマイホーム:家も土地も自己所有で、独立性と自由度は最高です。初期費用が高くつくものの、長期的には借家よりも安くなることが多い。しかし、修繕等は自分で行わなければならず、地震や火事で住む場所がなくなっても、自己責任です。

寮で共同生活していた学生も、卒業して社会に出ると賃貸アパートに住むようになり、結婚して子供ができると、アパートだと手狭になり、一戸建てに住むようになります。サイトも、成長につれて、共用サーバ、VPS、専用サーバあるいは自宅サーバへと移転するようになるものです。

このような違いがあるので、ウェブサイトの性格から分類するならば、最適なサーバは、以下のようになります。

  • 完全に静的なサイトまたは小規模の動的サイト→共用サーバ
  • 中規模の動的サイト→VPS
  • 一時的なキャンペーンサイト/開発者のための実証実験→クラウド・サーバ
  • 大規模な動的サイト→専用サーバあるいは自宅サーバ

私の場合、二番目に相当するので、VPS を選ぶことにしました。

2. なぜさくらインターネットなのか

VPS サービスを提供しているホスティング・カンパニーは、国内外に多数ありますが、これだけ円高が進んでいるにもかかわらず、海外のサービスには割安感がありません。国内には、低価格の VPS サービスがありますが、値段が安くても、性能が悪ければ、意味がありません。

さくらインターネットの社長が、自社を含めた国内の格安業者を比較して、次のようにまとめています。

  • スペックや性能が低くてもとにかく安くということでは、Serversman@VPS
  • HDD容量が欲しければ、Osukini Server
  • HDD容量はそこそこで良く、月に980円以上出せるのであれば、さくらのVPS

田中社長が指摘するように、サーバの性能を示す unixbench は、コストを勘案しても、さくらの VPS が最も高く、サイトの高速化を第一に考えているのであれば、さくらを選ぶべきだという結論になりました。

なお、ドメインに関しては、さくらインターネットのサービスは安くありません。プライバシー保護機能付きで一ドメインにつき年間9.95ドルのドリームホストのサービスを使い続けることにしました。

3. なぜ 4G プランなのか

さくらの VPS には、五つのプランがありますが、「さくらのVPS のおすすめプランは? | phpとmysql が使えるおすすめ格安レンタルサーバー比較」が行った分析によると、最も割高なのが 1G プランで、最も割安なのが 4G プランです。上位プランを発表した時、最初に品切れになったのもこのプランだったことも当然でしょう。

4G プランのコストパーフォーマンスは、さくらのクラウドと比べたらどうなるでしょうか。

圧倒的にさくらのVPSのコストパフォーマンスが良いのがわかりますね。さくらのクラウドのコストパフォーマンスから見た利点を強いてあげれば、メモリぐらいでしょうか。しかし、さくらのVPSで最もお買い得な4Gプランでは、完全にさくらのクラウドのコストパフォーマンスを上回っているのが見て取れます。

そこで、4G プランで契約することにしました。4G が限界に達した時には、8G に移転せずに、4G をもう一つ契約することにします。その方が料金総額が少し安くなるだけでなく、コア数とIPアドレスが二倍になるので、コストパーフォーマンスが向上します。ドメインが一つなら、そういうわけにもいかないのでしょうが、私のように複数のドメインをホスティングしている場合、サーバの分割は簡単にできます。

4. さくら VPS で高速サイトを構築する方法

私は、軽くて高速なサイトを作るにはどうすればよいのか、3ヶ月間研究し、さくらの VPS 4G で、以下のようのフォーメーションでキャッシュを最大限活用したサーバを構築するべきだという結論を得ました。

Internet → CloudFlare → NGINX → Varnish → Apache + PHP(APC + Memcached)→ MySQL Database

さくらの VPS 設定マニュアルは、ネット上に多数ありますが、このフォーメーションでサーバを構築する体系的な初心者向けマニュアルは、私が見る限り、他にはないようなので、連載する価値はあると思います。なお、このシステムの安全性等に関しては保証しかねるので、採用は自己責任でお願いします。

5. さくらの VPS 設定覚書:目次

Linux

1. 最初にするべきこと

1.1. OS パッケージのアップデート
1.2. ルートのパスワードの変更
1.3. ユーザの追加と権限付与
1.4. コマンドのパスの追加

2. SSH による接続

2.1. PuTTYgen でキーを作成する
2.2. Pageant でログインする
2.3. PuTTY で接続する
2.4. WinSCP で接続する

3. リポジトリからのパッケージのインストール

3.1. リポジトリの追加
3.2. リポジトリの設定
3.3. パッケージのインストール

4. セキュリティの強化

4.1. Firewall による通信の制御
4.2. iptables によるポート番号の設定
4.3. DenyHosts の設定

5. パーフォーマンスの改善

Apache

1. DNS の設定

1.1. 三つの代替方法
1.2. CloudFlare を利用する
1.3. 複合的なキャッシュ戦略

2. Apache の設定

2.1. 事前準備
2.2. Apache の起動
2.3. 初期設定の変更

3. Varnish の設定

3.1. バックエンドの設定
3.2. デーモンの設定
3.3. Varnish の起動

4. NGINX の設定

4.1. Gzip 圧縮の設定
4.2. サーバの設定
4.3. NGINX の起動

5. 接続テスト

PHP

1. PHP

1.1. PHP の情報の非開示
1.2. メモリの上限設定
1.3. 時間帯の設定
1.4. 文字コードの設定

2. APC

2.1. PECL によるインストールと設定
2.2. ソースコードによるインストールと設定
2.3. インストールと設定の確認
2.4. メモリやキャッシュの管理

3. Memcached

3.1. yum によるインストールと設定
3.2. ソースコードによるインストールと設定
3.3. キャッシュの内容を確認する

MySQL

1. MySQL

1.1. セキュリティの強化
1.2. 設定の変更
1.3. 再起動

2. phpMyAdmin

2.1. 設定の変更
2.2. バーチャルホストの登録
2.3. ユーザの追加

3. データベースの構築

3.1. データベースの作成
3.2. データベースのエクスポート
3.3. データベースのインポート

4. サーバの性能の計測

4.1. UnixBench
4.2. ApacheBench
4.3. ページ・ロード計測サイト
[投稿者:永井俊哉]
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